採点

 試験の後は採点業務。当然のことである。採点をしているときは、生徒の顔を思い浮かべながら、いろんなことを考える。特に、単元の導入はベストであったか…宿題の内容や量が適切であったか…もう少し反復すべきだったか…あるいは、もっと難しい問題にしてもよかったかな…と言うような具合である。反省もするし、次の指導や教材のことに思考が発展していくことも珍しくない。たいへん貴重な時間となる。当然だが、生徒一人一人の理解度もきっちりと把握できるのも採点のいいところである。他人が採点した答案を見るのとはまた少し違う。自分でしっりと○×をつけることが大事なのである。業者試験なら仕方がないが、大きな塾では自塾のテストも業者や担当以外に採点をさせるところも珍しくない。もちろん業務の効率化をはかっているのだが、決して理想形ではない。答案に現れる微妙な生徒の理解度や達成度の情報を手に入れることができないのは勿体ない。また、採点しながらいろいろ考えると言った先生業の醍醐味のようなものを味わえないのも残念である。

 そういえば、以前、勤めていた塾でのことだが、他塾からやってきた先生が、まともに採点ができなくて驚いたことがあった。50歳以上のベテランなのに、採点の仕方を知らなかったのである。○×の付け方、点数の書き方を知らないのだった。信じられないが、そんな人がいた。恐らくまともに採点した経験がなかったのだろう。当時、私は校舎長をしていたのでその先生を厳しく指導した。採点はできなくても先生はできるけど、何か違いますよね。