初めてこの問題と出会う多くの生徒(中1)はこの問題には見事に引っかかる。
本当に面白いように引っかかる。経験のある大人は恐らく推測できると思うが、
彼らの解答は「I don't my homework.」
私はこの問題ほど大事な問題はないと思っているので、すぐには答え合わせをしないで、ダメ出しをして考えさせる。その間、机間巡視をしながら生徒の様子を見ていく。すると、やっぱり賢い生徒は正答にたどり着く。何人かできる生徒が現れると、できない生徒は焦ってきて、その様子を観察していると各生徒の学習姿勢や学習に対する真面目さもよく見える。
そろそろ、限界のところでヒントを出す。
「I play tennis.を否定文にしてごらんなさい。」
すると、急に思考が働く生徒がいて正答に到達する。
急に雲が晴れて晴れ間がさすように見事に変化する生徒がいる。
残念ながら最後まで分からない生徒が数名いる。解答を示されてやっと納得する。
ここで大切なのは既習の基礎事項をいかに活用するかということである。
それを教えるのにこの問題はたいへん適しているので、あえて多くの時間をかけて学習方法にまで言及しながら授業を終える。すぐに説明して次に進めば短い時間で済むのだが、それではあまりにも持ったない題材だと思っている。
こういうことを中1の間に何度も経験させておく。
すると中2以上になると自然と思考が働くようになるのである。