学校でも、塾でも小テストの採点は相互採点が一般的だと思います。
誰もが経験のある隣の生徒と交換して採点するあのやりかたです。
この相互採点を見ているといろんなことがわかります。
やっぱり学力の高い生徒は、この相互採点が「速くて正確」です。
本当に驚くほど速くて正確なのです。私は英語の小テストは英作文形式で20問~25問出すことが多いのですが、驚くほどのスピードできっちりやってのけます。
集中力はともかく、ワーキングメモリーも強いと思われます。
何度も解答を見なくても一度で頭に入れて一気に採点できるのです。
また、採点時に目をつけないといけないポイントが先生レベルに到達していると思われます。自分が学習した時に失敗したところが頭に入っていて、自然とそこに目が行くのですよね。生徒によって間違い方は様々ですが、共通の間違いも多いのでばっちり対応できるのですよね。本当に素晴らしいです。
一方できない生徒は、本当に時間がかかっています。
他の生徒より1分以上遅れてしまう生徒は、学力的にかなり問題があります。
仮に知らないクラスでいきなり授業をすることになっても、これでクラスで目の付けないといけい生徒がすぐに見つかるものです。
もちろん、学力が上がって来ると、この採点の精度も上がってきます。
さて、この相互採点は単に先生が楽するためのものであってはいけません。
この相互採点を通して学習技能を鍛える必要があります。1年以上続ければワーキングメモリーも集中力ももちろん鍛えられます。目の付けつけどころや友達に対する気遣いなども学ぶことになるのです。本当に有意義なことだと思います。
しかし、ある程度の精度に到達するまでは大変危険です。間違いに気が付かなかったり、逆に正しい解答に×をつけてしまい、友達ともめることもあります。ですから相互採点に対する責任をしっかり教育する必要もあるのですが、やっぱり回収して先生がチェックすることも必要です。回収してみるとやっぱり間違いが見つかります。たまに悪意のある採点もありますが、本当に間違ってしまっているのです。これをちゃんと見つけてあげないと、採点された側もした側にもよくありません。先生は面倒くさがらずに見てあげないといけないのです。しかし、多くの生徒を抱える塾では難しくなっているかもしれませんね。
それにしても、子供の感覚というのは驚きます。相互採点の時によく生徒が質問します。「先生、これあってる?」答案を見てみると驚きます。
なんと、その解答はかすりもしていないことが多いのです。
本当に判断がつかないのか、近いものに思えているのかは謎ですが、とにかく子供の感覚というのは頼りないということは事実です。
そういったことを認識したうえで、相互採点を使って、時間を有効に活用しながらも、生徒の学習技能を鍛えて行くこと必要だと思います。
相互採点一つですが、たいへん奥が深いと思います。